手描き友禅について

手描き友禅とは

手書き友禅は紙に図案を描き、それをもとに白生地に柄を手書きしていく方法です。日本の伝統的な技法の一つです。複雑な工程と高度な技術が必要とされ、各工程ごとに専門の技術者(職人)を置き、染匠の統括のもと分担して制作を行います。

染匠とは

全工程の中心に位置し、統一された意匠の伝達を司る重要な役目を担っています。手描き友禅完成までには多くの工程があるため、染匠の取り仕切りなしでは完成することができません。企画から、それぞれの職人への指示まで、様々な工程に関わっていきます。

手描き友禅の魅力

  • 繊細かつ優美で華やか
  • 手描きでつくるため一点物
  • 古くからの伝統ある職人技の結晶 

手加工友禅~完成までの道

下絵

白生地に青花液で模様のアウトラインをとり、正確な模様を描いていく。

糊置き

下絵に沿って糸目糊を置き染料が他ににじまないようにする。

地染め

引染と呼ばれるこの工程は重要な位置を占め、染料を刷毛で染めていく。

蒸し

地染された生地を約100度の蒸気で、20~50分間蒸し、生地に地色を定着させる。

水元

完全に染着した生地を良質の水を使い、余分な染料、薬剤、糊料を洗い流す。

挿し友禅

絵模様部分に筆と刷毛を駆使し色を挿す。最も重要な工程で色彩感覚や創造性が求められる。

金彩

染め上がった生地に金・銀の箔や粉を接着。京友禅をより華やかに表現。

刺繍

「京縫」と呼ばれる技法で、絹糸・金糸・銀糸を使いより美しく彩り、ボリューム感を与え、気品と豪華さを合わせ持たせる。

完成品

日本遺産である、丹後ちりめんでできた着物の完成です。
創作琳派・正倉院文様・洒落正倉院紋などで、構成される逸品です。企画・立案してから約8ヶ月での完成となります。